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農林水産研究成果10大トピックス

2015年

1.中山間地対応型栽培管理ビークルを開発-耕うんから管理作業までを1 台でカバー、投資コストの低減に期待-(PDF:253KB)

農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センターは、三菱農機株式会社と共同で、小型で旋回しやすいため小区画ほ場でも作業し易く、また、後輪を上げ下げできるため水田から出る時や傾斜のきつい農道を走行時の安全性が向上する中山間地対応型栽培管理ビークルを開発した。作業機を交換することで耕うん、田植えなど様々な農作業が可能であり、中山間地の小区画・非定型水田における作業の省力化及び新規就農時の初期投資の抑制つながることが期待される。

2.全てのナシ品種を結実させる花粉を作るニホンナシ系統を作出-人工受粉が要らない品種・全てのナシ品種に使える受粉専用品種の育成に期待-(PDF:393KB)

農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所は、自分の花粉で受精し人工授精が不要な日本梨の新系統を育成した。農業生物資源研究所放射線育種場に植えていた「幸水」の花粉を果樹研究所の「幸水」と交配して育成。一般に梨は自分と同じ品種の花粉では実ができないが、この新系統は全ての梨を結実させる花粉を作れるという。これをもとに、人工授粉が不要な優良品種や授粉用の花粉を生産する専用品種の育成が期待される。

3.簡単に使えて、きれいに治すばんそうこう型人工皮膚を開発-生体適合性に優れた革新的な再生医療機器の開発に期待-(PDF:248KB)

佐賀大学、農業生物資源研究所、祐徳薬品工業株式会社は共同で、ブタのコラーゲンから「アテロコラーゲンビトリゲル®膜」を使用した、ばんそうこう型人工皮膚を開発した。動物実験では、傷痕をほとんど残すことなく治癒されることを確認しており、生体適合性に優れた革新的な再生医療機器の開発が期待される。

4.受粉せずに果実が肥大する高糖度トマトの変異体とその遺伝子を発見-消費者も栽培者もうれしいトマト品種の開発に期待-(PDF:384KB)

筑波大学は、トマトの大規模変異体集団の中から、受粉せずに果実が肥大し、糖度が高い新規の変異体を選抜。原因遺伝子を同定するとともに、そのDNA マーカーを開発。交配育種によって低コスト・労力で栽培できる糖度が高いトマト品種の開発に貢献できると期待される。

5.ナスの受粉作業を省くことができる新しい遺伝子を発見-ナス科野菜の省力・安定生産に貢献が期待-(PDF:450KB)

農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所とタキイ種苗株式会社は共同で、ナス、トマト、ピーマン等のナス科野菜に単為結果性をもたらす新しい遺伝子を発見。この遺伝子に突然変異が生じることがあり、果実の成長に必要な植物ホルモンであるオーキシンが増える原因であることが明らかになった。さらに、トマトやピーマンにも同じ働きを持つ類似の遺伝子があり、国内生産現場における生産性向上や栽培の省力化に大きく貢献することが期待される。

6.“人類最古の農業”栽培オオムギの起源を解明-ムギ類の効率的な品種育成に期待-(PDF:396KB)

農業生物資源研究所と岡山大学は共同で、オオムギの栽培化のルーツとなった実が落ちない遺伝子を特定し、世界の2 つの大きなオオムギ品種のグループを分子的に判定することを可能にした。2 つのグループの交配で現れる「実が落ちる」形質を、DNAマーカーを利用することで除去できることから、両者を交配する育種が効率的に実施でき、新たな性質をもつ品種の育成が期待される。

7.コメ粒を巨大化させる遺伝子を発見-超多収イネ品種の育成に期待-(PDF:490KB)

名古屋大学は、イネの種子を大きくする遺伝子を発見。コメ粒が短いジャポニカ米「日本晴」と細長いインディカ米「カサラス」の遺伝子を比較。12 本の染色体のうち、第6 染色体にコメの大きさを制御する遺伝子「GW6a」を発見し、この働きが、「カサラス」が「日本晴」より強いことを突き止めた。この遺伝子を識別できるDNA マーカーを開発することによって品種開発が容易となり、超多収イネの育成に貢献することが期待される。

8.イチゴのパック詰めロボットを開発-軟弱な果実を傷つけずにハンドリング-(PDF:346KB)

農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センターとヤンマーグリーンシステム株式会社は、イチゴの選果施設を対象としたパック詰めロボットを開発した。1 回に最大で6 個の果実を同時に扱えることにより、人が行うよりも作業時間を40%程度短縮することができる。本装置により選果施設の処理能力が拡大されることで、イチゴ生産者がパック詰め作業から完全に解放され、よりきめ細かい栽培管理や規模の拡大が可能となり産地の活性化が期待される。

9.大豆の落ちこぼれを救う遺伝子を発見-機械収穫に対応した効率的な品種開発に期待-(PDF:543KB)

農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター、作物研究所、北海道大学、農業生物資源研究所、香川大学は共同で、大豆の収穫ロスを抑制する遺伝子を明らかにした。この遺伝子を導入すると、成熟後、乾燥してもさやがはじけにくく、畑に落ちる大豆が減る。DNA マーカーの利用による新品種開発の効率化を通じて、大豆の安定生産への貢献に期待される。

10.市販機器で自作可能な放牧向け自動飲水供給システムを開発-電気牧柵システムを活用して家畜管理の省力化に期待-(PDF:253KB)

農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所は、電気牧柵などに使う太陽光発電装置を電源に使った放牧向けの飲水供給システムを開発。電気が通じておらず、川や用水路などの水源が放牧地より低いような場所で活用できる装置で、耕作放棄地放牧にも適している。飲水を省力的に自動で供給可能。直流電源用のポンプなど、市販の機器を組み合わせて自作でき、導入コストの低減が期待される。

2014年

 1. 飛ばないナミテントウの育成と利用技術の開発-アブラムシ防除に強力でやさしい味方誕生- (PDF:345KB)

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 近畿中国四国農業研究センターは、国立大学法人 岡山大学、株式会社 アグリ総研、兵庫県立農林水産技術総合センター、地方独立行政法人 大阪府立環境農林水産総合研究所、奈良県農業研究開発センター、和歌山県農業試験場、徳島県立農林水産総合技術支援センターと共同で、アブ ラムシの防除に天敵であるナミテントウを有効利用するため、作物上によく定着する 系統(飛ばないナミテントウ)を育成した。本年6 月より生物農薬として販売開始。 化学農薬の使用量の削減に期待。

2. ニホンウナギ仔魚飼育 大型水槽で成功-シラスウナギ量産技術の開発に期待-(PDF:337KB)

独立行政法人 水産総合研究センターは、ニホンウナギの仔魚を大型水槽(容量1000L)で飼育する方法を開発した。従来のように手作業で1尾ずつ飼育管理を行う ことなく、まとまった数の仔魚を飼育できるようになった。200 日齢の仔魚約900 尾 を育てることに成功し、一部はシラスウナギまで成長した。シラスウナギ量産技術の 開発に期待。

3. 施肥量を大幅に削減できる「うね内部分施用機」のラインナップが完成-露地野菜作で肥料施用量を30~50%削減可能-(PDF:413KB)

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センターは、井関 農機 株式会社と共同で、露地野菜経営面積や各種うね形状に対応したうね内部分施 用機5 機種を開発し、市販を開始。肥料をうねの中央部にだけ施用し、うね間には施 用しないので、肥料の施用量を30~50%削減可能。今後、露地野菜作における低コス ト、環境負荷低減技術として普及が期待。

4. 資材不要・素早く・簡単な穿孔暗渠機(せんこうあんきょき)カットドレーン」を開発-手軽な施工で抜群の排水性を確保-(PDF:269KB)

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所は、株式会社 北海 コーキ、公益財団法人 北海道農業公社と共同で、資材が不要で、素早く、簡単に40 ~70cm までの深さに暗渠と同じ排水機能をもつ通水空洞を作る穿孔暗渠機「カットド レーン」を開発。農家自身が資材を使わず暗渠を施工できるようになり、畑作物の湿 害回避による生産性の向上が期待。

5. 植物体への超音波処理による病害防除技術を開発-物理的刺激を与え、病気に対する抵抗性を誘導-(PDF:225KB)

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センタ ーは、国立大学法人 東京農工大学と共同で、物理的刺激である超音波を利用した病害防除技術を開発した。苗に超音波を照射することにより、その後に接種したイネい もち病やトマト萎凋病等の発病が抑制される。現在、装置の開発中で、実用化に期待。

6. クモ糸を紡ぐカイコの実用品種化に成功 -大量生産への道を拓く-(PDF:570KB)

独立行政法人 農業生物資源研究所は、オニグモ縦糸成分を含む「クモ糸シルク」を 生産するカイコの実用品種の作出に成功した。クモ糸シルクは通常シルクよりしな やかさが向上し、切れにくさは1.5 倍。また、糸の太さなどの性質は通常シルクと同様であり、機械加工もできる。今後、切れにくくしなやかな性質を活かして、伝線しにくいストッキングや、細くて強靱な微細手術用縫合糸等の医療素材等への展開が期待。

7. 豚ぷんをリン鉱石代替物に変換する技術を開発-家畜排せつ物のリサイクル推進に期待-(PDF:355KB)

日立造船 株式会社は、国立大学法人 宮崎大学、地方独立行政法人 大阪府立環境農林水産総合研究所、国立大学法人 熊本大学と共同で、炭化処理により豚ぷんをリン資源(炭化物)に変換する技術を確立。化学肥料原料のリン鉱石を炭化物から分離した濃リン炭で4 割置き換えても、同等のリン酸肥効の肥料が製造できることを確認。豚ぷん資源の広域的な循環利用に期待。

8. 青切り出荷用タマネギの高能率調製装置を開発-未乾燥タマネギの葉切り・根切り作業の大幅な省力化に期待-(PDF:260KB)

香川県農業試験場は、株式会社 ニシザワ、香川県西讃農業改良普及センター、株式会社 合田農園、株式会社 和田オートマチックスと共同で、未乾燥タマネギの葉と根を1 時間当たり3500 個処理する調製機を開発。搬送螺旋ロールや巻込みロールでタマネギの姿勢を整列し、高精度に葉と根を切断。軽トラックに搭載して圃場内を移動しながら利用でき、作業能率は慣行の2.6 倍以上と、大幅な省力化が期待。

9. イネの収量を増加させる遺伝子(SPIKE)の発見及びそのDNA マーカーの開発-収量の多い熱帯の普及品種開発に期待-(PDF:588KB)

独立行政法人 国際農林水産業研究センターは、フィリピンにある国際稲研究所(IRRI)、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所、首都大学東京と共同で、大きな葉や穂を持つインドネシア在来の日本型イネに由来し、インド型イネの収量を増加させる遺伝子(SPIKE)を発見し、そのDNA マーカーを開発。交配育種によるインド型普及品種の改良を通じ、熱帯の開発途上地域でのコメの安定供給に貢献することを期待。

10. 鶏肉のイミダゾールジペプチドの脳老化改善効果を発見-鶏肉摂取を介した認知症予防の取り組みに道を拓く-(PDF:312KB)

国立大学法人 東京大学は、国立大学法人 九州大学、独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター、日本ハム 株式会社と共同で、鶏肉に多く含まれるイミダゾールジペプチドに脳老化を改善する効果があることを発見。鶏肉の認知症発症予防効果の普及に期待。

過去の10大トピックス

2013年~2002年の10大トピックスはこちらです。

 

 

 

 

 

 

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