遺伝子組換え技術
(1)遺伝子組換え技術
- 品種改良の一つの方法として用いられている遺伝子組換え技術とは、次のような技術です。
- ある生き物から特定のタンパク質に対応する遺伝子をとりだし、
- 改良しようとする生き物の細胞の中に遺伝子を導入し、
- 細胞がタンパク質を合成するようになる。
(結果として、細胞はタンパク質がもたらす新たな形質を有するようになる。)
- あらゆる生き物において、遺伝子(DNA)・タンパク質は共通性の高い化学構造をしているので、理論的には、あらゆる生き物の間で遺伝子を組み換えることができます。
(2)遺伝子組換え技術と従来の交配による育種の違い
- 従来からの育種技術である、交配・選抜による農作物の品種改良では、交配可能な同種または近縁種の間で交配を行いますが、交配ごとに両親の遺伝子の半分ずつを受け継ぐとともに、遺伝子の組み合わせは偶然にまかせられるため、新たに組み合わさった遺伝子が品種改良の目的とする形質を示すものを選抜し、かつ目的に合わない形質を排除することを繰り返し行い、最終的に目的とする個体を獲得します。
- 一方、遺伝子組換えによる品種改良では、生物の種にとらわれることなく、幅広い生物種の中から目的とする機能を持つ遺伝子を選んで、その遺伝子のみを改良する作物に直接組み込むことにより、品種改良の目的とする形質を示す個体を獲得します。
- このことから、従来の育種技術では、品種改良の成果は、交配が可能な遺伝子の間での遺伝子の組み合わせによって得られる形質に限られますが、遺伝子組換え技術では、品種改良の可能性が広がることになります。
しかし、遺伝子組換え技術により、自然界では得られない組み合わせの遺伝子を人為的に作り出すことを懸念する意見もあります。