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農林水産省における研究開発評価に関する指針
(平成18年3月31日 農林水産技術会議決定)

第1 趣旨

 農林水産技術会議では、平成17年3月に「農林水産研究基本計画」を策定し、農林水産研究の理念、今後10年程度を見通して取り組む研究開発の重点目標及びその達成を図るための具体的な施策を示した。今後、本計画に沿った研究開発を着実に実施するため、各種の研究開発評価を着実かつ効率的に推進する必要がある。

 また、平成17年3月に「国の研究開発評価に関する大綱的指針(内閣総理大臣決定)」が策定され、研究開発評価システムの改革の方向等が示された。さらに、平成18年3月には、行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成13年法律第86号。以下「政策評価法」という。)に基づき新たな「農林水産省政策評価基本計画(農林水産大臣決定)」が定められた。

 このような状況を踏まえ、農林水産省における研究・技術開発評価の一層の充実と効率化を図るため、「農林水産省における研究・技術開発の政策評価に関する指針」(平成13年4月17日農林水産技術会議決定)を改定する。

第2 評価の種類と実施体制

1 評価の種類

 農林水産省における研究開発に関して、以下の評価等を実施するものとする。

 ア 農林水産研究基本計画(平成17年3月30日農林水産技術会議決定。以下「研究基本計画」という。)の検証・評価

 イ 研究制度評価

 ウ 研究課題評価

 (ア)委託プロジェクト研究の研究課題評価

 (イ)競争的研究資金制度等の研究課題評価

 エ 追跡調査・検証

2 評価等の実施主体

 評価の実施主体は、農林水産技術会議(以下「技術会議」という。)とし、研究基本計画の検証及び追跡調査・検証の実施主体は農林水産技術会議事務局(以下「事務局」という。)とする。

3 評価実施体制

(i)  研究開発評価を効果的に行うため、技術会議の委員及び専門委員によって構成される評価専門委員会を開催する。

(ii)  専門委員は、外部専門家又は外部有識者(以下「外部専門家等」という。)から選任するものとし、その任期は、原則2年とする。ただし、再任を妨げない。

(iii) 評価専門委員会は、研究開発評価に関する以下の事項について調査・審議するものとする。

 ア 評価計画の策定に関すること

 イ 研究基本計画の評価、研究制度評価及び委託プロジェクト研究の研究課題評価の実施に関すること

 ウ 評価手法の改善に関すること

 エ その他必要な事項に関すること

(iv)  競争的研究資金制度等の研究課題評価の円滑な実施を図るため、外部専門家等によって構成される研究課題評価分科会を開催する。

(v)  評価専門委員会の庶務は、農林水産技術会議事務局技術政策課、研究課題評価分科会の庶務は、該当する研究制度の担当課において行う。

第3 農林水産研究基本計画の検証・評価

1 検証・評価の趣旨

 農林水産省の研究開発の進行管理に活用し、必要に応じて研究施策の見直しや新たな取組に反映させるため、研究基本計画の検証・評価を実施する。

2 検証・評価の対象

 検証・評価の対象は、研究基本計画の「Ⅱ農林水産研究の重点目標」に位置づけられた研究開発及び「Ⅲ農林水産研究に関する施策」に位置づけられた研究施策とする。

3 検証・評価時期

 毎年度、検証を実施し、研究基本計画策定後概ね5年目に総合的な評価を実施する。

4 検証・評価の方法

(1)農林水産研究の重点目標の検証

(i)  事務局は、各年度の農林水産研究開発の実施状況を、研究基本計画の重点目標に沿って整理する。

(ii)  事務局は、(i)の結果を踏まえ、重点目標の達成に向けた当該年度の研究開発進捗状況及び研究の改善方向を取りまとめ検証結果とし、評価専門委員会及び技術会議に報告する。

(2)農林水産研究に関する施策の検証

 事務局は、各年度に実施した施策の取り組み実績及び成果並びに今後の推進方向を取りまとめ検証結果とし、評価専門委員会及び技術会議に報告する。

(3)農林水産研究基本計画の評価

(i)  事務局は必要性、効率性、有効性等の観点を踏まえて、評価項目及び評価基準を定める。

(ii)  事務局は、(1)及び(2)の検証結果を踏まえ、(i)の評価項目、評価基準に従い自己評価を実施する。

(iii) 評価専門委員会は、(ii)の自己評価について、その妥当性を検討し、必要に応じ修正を行った上で、評価専門委員会の評価とし技術会議に報告する。

(iv)  技術会議は(iii)の報告を踏まえて評価結果を決定するとともに、研究基本計画の見直し、予算の配分等所要の措置を行う。

第4 研究制度評価

1 評価の趣旨

 産学官の連携、競争的環境の整備、若手研究者の育成や流動性の促進等、効率的かつ効果的に研究を推進するための研究制度の評価を実施する。

2 評価の対象

 評価の対象は、産学官の連携、競争的環境の整備、若手研究者の育成・流動性の促進、研究成果の活用促進、地域における農業研究の振興等を目的とした各種の研究制度とする。

3 評価の時期

 原則として、制度開始前に行う事前評価及び制度終了時に行う事後評価を実施するものとする。また、5年以上継続している研究制度については、概ね5年毎に中間評価を実施する。

 なお、中間評価については、研究制度の特性や運営状況から必要な場合には、これ以外の時期にも実施する。

4 評価の方法

(i)  事務局は、必要性、効率性、有効性等の観点を踏まえて研究制度の評価項目及び評価基準を定める。

(ii)  事務局は、評価対象となる研究制度の概要資料を作成するとともに、(i)の評価項目及び評価基準に従い自己評価を実施し、評価専門委員会に報告する。

(iii) 評価専門委員会は、(ii)の自己評価について、その妥当性を検討し、必要に応じ修正を行った上で評価結果を決定し、技術会議に報告する。

(iv)  技術会議は、評価専門委員会の決定をもって技術会議の評価結果の決定とするとともに、評価結果を踏まえて、研究制度の見直し、運用の改善、予算の配分等、所要の措置を行う。

第5 委託プロジェクト研究の研究課題評価

1 評価の趣旨

 委託プロジェクト研究の研究課題の効率的かつ効果的な企画、実施のため、評価を実施する。

2 評価の対象

 評価の対象は、独立行政法人等に委託して実施する委託プロジェクト研究課題とする。

3 評価の時期

 原則として、研究開始前に行う事前評価及び研究終了時に行う事後評価を実施するものとする。また、5年以上の研究期間を有する委託プロジェクト研究については、原則として2~4年ごとに中間評価を実施するものとする。

 なお、優れた成果が期待され、かつ研究の発展が見込まれる委託プロジェクト研究については、切れ目なく研究が継続できるように、1年前倒しに事後評価を行うことができるものとする。

4 評価の方法

(i)  事務局は、必要性、効率性、有効性等の観点を踏まえて評価項目及び評価基準を定める。

(ii)  事務局は、評価対象となる委託プロジェクト研究の概要資料を作成するとともに、(i)の評価項目及び評価基準に従い自己評価を実施する。

(iii) 評価専門委員会は、(i)の自己評価について、その妥当性を検討し、必要に応じ修正を行った上で評価結果を決定し、技術会議に報告する。

(iv)  技術会議は評価専門委員会の決定をもって技術会議の評価結果の決定とするとともに、評価結果を踏まえて、課題・研究計画の見直し、予算の配分等、所要の措置を行う。

第6 競争的研究資金制度等の研究課題評価

1 評価の趣旨

 競争的研究資金制度等の研究課題の効率的かつ効果的な採択、実施のため、評価を実施する。

2 評価の対象

 評価の対象は、競争的研究資金制度、指定試験事業等により実施する研究課題とする。

3 評価の時期

 原則として、研究課題の採択のために行う事前評価及び研究終了時に行う事後評価を実施するものとする。また、5年以上の研究期間を有する研究課題については、原則として2~4年ごとに中間評価を実施するものとする。

 なお、優れた成果が期待され、かつ研究の発展が見込まれる研究課題については、切れ目なく研究が継続できるように、評価の時期に配慮するものとする。

4 評価の方法

(i)  事務局は、必要性、効率性、有効性等の観点を踏まえて評価項目及び評価基準を定める。

(ii)  事務局は、評価に当たっては研究制度ごとに研究課題評価分科会を開催する。

(iii) 研究課題評価分科会は、(i)の評価項目及び評価基準に基づき評価結果を決定し、評価専門委員会及び技術会議に報告する。

(iv)  技術会議は、研究課題評価分科会の決定をもって技術会議の評価結果の決定とするとともに、評価結果を踏まえて、課題・研究計画の見直し、予算の配分等、所要の措置を行う。

第7 追跡調査・検証

1 調査・検証の趣旨

 農林水産研究が社会・経済に及ぼす効果を把握し、研究開発評価の高度化、研究開発の企画・立案等に資するため、研究終了後一定期間経過後の研究成果の普及・活用状況の把握を行う追跡調査を実施する。

2 調査・検証の対象

 調査・検証の対象は、農林水産省の研究資金(技術会議所管の試験研究独立行政法人への運営費交付金、委託プロジェクト研究、競争的資金等)を活用して行われた研究開発の主要な成果とする。

3 調査・検証の時期

 調査・検証は、原則として、研究成果公表後、概ね5年の間、毎年度実施する。

4 調査・検証方法

(i)  事務局は2の研究開発を実施した研究機関を対象として、当該研究成果の普及・活用状況に関する調査を実施する。その際、できるだけ普及・活用状況の数量的把握に努める。

(ii)  事務局は(i)の調査結果の集約及び分析を行い検証結果とし、評価専門委員会及び技術会議に報告する。また、必要に応じ特定の研究開発を対象として、社会・経済等への効果や波及効果について、掘り下げた調査を行う。

第8 留意事項

1 政策評価の場合の手続き

 政策評価法に基づき農林水産大臣が定める農林水産省政策評価基本計画及び農林水産省政策評価実施計画において政策評価を実施することとされた研究開発については、本指針の他、農林水産省政策評価基本計画に定める評価結果の決定手続きを経た上で公表する。

2 評価の透明性・客観性の確保

 技術会議は、評価の透明性を高めるため、評価者と研究実施主体との間で必要な場合意見交換を行う機会をつくるとともに、評価項目・評価基準等を幅広く開示するよう努めることとする。さらに、外部評価者の選任に当たっては、特定の者が長期にわたり評価者となることがないよう、明確な任期を設定するものとする。

 また、評価の客観性を確保する観点から、評価に当たっては、研究の効果を定量的に把握することができる評価手法を用いるよう努める。定量的な評価が困難である場合でも、客観的な情報・データ等に基づき評価を行うことに努めるものとする。

3 評価者の責務

 評価者は、評価に当たり、公平・公正な評価を行うべきことを常に認識するとともに、成果を問うだけでなく挑戦を励ます面も重視する。また、個人情報や企業秘密の保護、知的財産権の取得に関する秘密の保持に十分留意するものとする。

4 研究・技術開発の性格に応じた適切な配慮

 評価及び評価結果の反映に当たって、技術会議は、個々の研究・技術開発や研究制度が持つそれぞれの性格を十分に考慮し、その特性に応じた評価等が行われるよう配慮するものとする。

5 評価に伴う過重な負担の回避

 評価に当たっては、研究動向解析システム等のデータベースの活用、既に実施された評価資料の活用及び個々の研究の規模に応じた適切な評価手法の活用等により評価を効率的に行うよう努めるものとする。

第9 評価結果の公表

 評価の基礎となったデータ、評価結果及びその理由等、これに基づいて講ずる又は講じた措置並びに評価者名について、事務局長は、個人情報や企業秘密の保護、知的財産権の取得等に配慮しつつ、インターネットを利用する等国民にわかりやすい形で、積極的に公表するものとする。

第10 その他

 農林水産省における研究開発評価に関しては、農林水産省政策評価基本計画及び本指針に定めるもののほか、事務局長が別に定めるものとする。

附則

1 平成18年度に行う農林水産研究・技術開発戦略(平成13年4月2日付け12農会第3103号農林水産技術会議事務局長通知)に定められた林業及び水産業に係る分野ごとの評価については、改訂前の「農林水産省における研究・技術開発の政策評価に関する指針」(以下「旧指針」という。)に基づき実施する。

2 本指針決定日の前日までに、旧指針の第3の3の(2)のウの(ウ)に基づき研究課題評価分科会が評価を行った研究課題については、本指針の第6の4の(iii)に基づき研究課題評価分科会が評価を行ったものとみなす。

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