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はじめに

我が国の農林水産研究は、平成11年11月に策定した「農林水産研究基本目標」に即して着実に実施しているが、農林水産研究基本目標の策定以降、農林水産業に関する国際競争の一層の激化、担い手の減少と高齢化、食の安全・安心に対する国民の関心の高まり、環境問題の深刻化や環境保全への関心の高まり等、農林水産研究をめぐる情勢は大きく変化している。

この間、農林水産政策については抜本的な見直しが図られ、平成12年には「食料・農業・農村基本法」に基づく「食料・農業・農村基本計画」が策定され、今般、新しい「食料・農業・農村基本計画」が閣議決定された。また、平成13年には森林・林業基本法及び水産基本法が制定され、これらに基づき同年には「森林・林業基本計画」が、平成14年には「水産基本計画」が策定された。

平成13年には、研究業務の効率的かつ効果的な推進を図る観点から国の研究機関のほとんどが独立行政法人化されるとともに、第2期の「科学技術基本計画」が策定され、総合科学技術会議を中心に政府全体として科学技術創造立国の実現を目指した活動が展開されている。

このような情勢の変化に対応して、国、独立行政法人研究機関(以下「独法研究機関」という。)、公立試験研究機関、大学、民間等の研究勢力を結集して農林水産研究に期待される役割を十分に果たしていくため、新たな農林水産研究の重点目標を定めるとともに、その実現のための施策を示すことが重要である。

このため、今後の我が国経済社会、地球規模の食料・環境問題等の情勢を踏まえて、農林水産研究が目指すべき社会的な貢献の在り方、今後10年程度を見通して取り組む研究開発の重点目標及びその達成を図るための具体的な施策からなる農林水産研究基本計画(以下「研究基本計画」という。)を策定することとし、広く研究関係者と国民に対して提示する。

研究基本計画の策定の視点は、以下のとおりである。

ア  国及び独法研究機関はもとより、公立試験研究機関、大学、民間等が実施する研究を一層重視し、我が国農林水産研究全体における産学官の役割分担と連携の方向を明確化すること。

イ  研究基本計画の中に数値目標を含めた期別達成目標を示し、これを研究開発の計画的な進行管理に活用すること。

ウ  優れた研究成果の創出とその実用化・産業化を図るため、研究開発システムの改革を始めとする施策への具体的な取組を重視すること。

エ  農林水産研究の果たす役割が国民に十分に理解されるよう、農林水産物や食品の安全・信頼の確保等、農林水産研究が目指すべき社会的な貢献を分かりやすく提示すること。
また、研究基本計画の実効性を以下により確保する。

ア  今後10年程度を見通した農林水産研究の重点目標については、期別達成目標に、ほぼ5年先及び10年先までに達成すべき具体的な目標を明示すること。

イ  期別達成目標の実施状況について毎年度検証し、その結果を研究開発の進行管理に活用し、必要に応じて農林水産省の研究施策の見直しや新たな取組に反映させること。

ウ  期別達成目標のうち農林水産省所管の独法研究機関が担う部分については、各独法研究機関の中期目標にも反映されるよう、必要な調整を図ること。

エ  研究基本計画の策定からおおむね5年後に、期別達成目標の達成度について研究開発評価を行うとともに、農林水産業をめぐる情勢の変化や研究動向等を踏まえ、研究基本計画を見直すこと。

オ  諸情勢の変化に迅速に対応するため、5年以内であっても、必要に応じて研究基本計画の一部を改定すること。

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