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プレスリリース

平成25年8月9日

農林水産省

「農地土壌の放射性物質濃度分布図」の作成について

 

農林水産省は、福島県及びその周辺地域において、農地土壌の放射性物質の濃度の推移を把握し、農地の除染や現場での対策に資するよう、農地土壌の放射性物質の濃度を調査し、分布図を作成しています。

平成24年度においては、約 450 地点において土壌中の放射性セシウム濃度の測定を行い、その結果を地図及び表形式で取りまとめました。

また、前回調査(平成24年3月公表)と同一地点(約 110 点)における農地土壌中の放射性セシウム濃度の低下率を用いて、前回の調査の際に推計した農地土壌の放射性濃度分布図を更新しました。

 

作成の目的

東京電力福島第一原子力発電所の事故により、放射性物質の影響を受けた農地において、除染や営農上の対策を進めるためには、農地土壌がどの程度放射性物質に汚染されているのかを把握することが必要です。
このため、農林水産省は、平成23年8月に福島県及びその周辺地域の農地土壌の放射性物質濃度分布図(農地土壌濃度分布図)(以下「23年8月公表分布図」という。)を作成し、平成24年3月には調査範囲を拡大したより精緻な分布図(以下「24年3月公表分布図」という。)として更新しましたが、今般、平成24年度の農地土壌の測定データ等により、農地土壌濃度分布図の更新に取り組みました。

農地土壌濃度分布図の作成の詳細

農地土壌濃度分布図は、農林水産省が独立行政法人 農業環境技術研究所に委託し、以下の手順に従い作成しました。

 1.対象区域

農地土壌濃度分布図の作成は、7県(岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県)を対象としました。これは、空間線量率と土壌放射性セシウム濃度の回帰直線作成のため、文部科学省が実施した航空機モニタリングによる空間線量率データ(平成25年3月1日公表)が利用可能な範囲としたものです。

2.調査地点

農地土壌の放射性セシウム濃度の測定は、福島県で360地点、宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の5県で計86地点の総計446地点において行いました。それぞれの県の調査地点数は、別添1を御参照ください。(なお、岩手県については、農地土壌濃度の実測は行わず、下記7.の手法を用いた推計による濃度分布図の更新のみを行いました。)

3.農地土壌の採取

放射性物質濃度の測定に用いる農地土壌の試料は、調査地点ごとに一つのほ場から採取しました。具体的には、ほ場での平均的な値を得るため、ほ場に対角線を引きその交点1点、対角線の交点と各頂点との中点4点の計5箇所から、放射性物質が耕起によって撹拌される深さや農作物が根を張る深さを考慮して、地表面から約15 cm又は耕うんの深さまでの土壌を採取しました。採取した5点の土壌試料は、一つのビニール袋に入れてよく混合しました。

4. 分析の対象核種

ゲルマニウム半導体分析装置を用いて放射性セシウム(Cs-137、Cs-134)の濃度を測定しました。
農地土壌の放射性物質濃度分布図等には、Cs-137とCs-134の濃度の合計を表示しました。

5. 分析値の補正

分析に使用した農地土壌の試料については、その採取・測定時期が平成24年4月から平成25年3月と分散しているため、放射性セシウムの減衰量を考慮し、基準日(平成24年12月28日)を設定して実測値を補正しました。
なお、基準日は、文部科学省が実施した航空機モニタリングデータの基準日と同じ日に設定しました。

 6. 地図上での農地土壌濃度の表示

地図上に、農地土壌の調査地点を放射性セシウムの濃度別に色分けして表示しました。この結果につきましては、別添2を御参照ください。

7. 調査地点以外の農地土壌の放射性物質濃度の推計

23年8月公表分布図及び24年3月公表分布図では、農地土壌の放射性セシウム濃度と農地上の空間線量率との間に一次の相関関係があることを活用して、空間線量率データから農地土壌の放射性セシウム濃度を推計し、調査地点以外の農地土壌の放射性セシウム濃度を地図に表示しました。

今回は、福島県の調査地点(360地点)のうち111地点については24年3月公表分布図における調査地点と同一圃場であったことから、まず、これらの地点における放射性セシウム濃度の実測データから、土地利用の違いや避難指示区域の内か外かの違い(事故後に耕起されたかどうかの違い)ごとに放射性セシウム濃度の低下率を算定しました。次に、前回の調査(平成24年3月)における農地土壌の放射性セシウム濃度に、低下率を乗じることで、今回の調査地点以外の農地土壌の放射性セシウム濃度を推計して分布図を更新しました。なお、24年3月公表分布図の作成以後に行われた農地の除染による放射性セシウム濃度の低下については反映されておりません。また、推計した放射性セシウム濃度の値と実測値との間には、一定の誤差が生ずる場合があります。

8. 農地土壌の放射性セシウム濃度の範囲の設定

農地土壌濃度分布図では、濃度分布の傾向を表すため、濃度に応じて7段階に範囲を区切り、段階ごとに色分けして農地土壌の放射性セシウム濃度を表示しました。
濃度の範囲を設定するに当たっては、調査地点全体での放射性物質濃度の範囲(不検出~約5.7万 Bq/kg)、農地の除染技術の適用の考え方及び濃度の値の桁数(1,000、10,000)等を勘案しました。

結果の概要

1. 結果と考察

1) 7県全体の農地土壌の放射性物質濃度分布図(調査地全域)は別添3を御参照ください。今回の調査範囲における農地土壌の濃度分布は、これまでの調査結果に比べ、0-500 Bq/kgの分布域が拡大するとともに、500-1,000 Bq/kgやそれ以上の濃度の分布域が減少していることが分かりました。推計の結果、農地土壌の放射性物質濃度が5,000 Bq/kgを超える面積は約7,500 ha(牧草地を除き約6,800 ha)と推計されました(24年3月公表分布図の約8,900 ha(牧草地を除き約8,100 ha)と比較して約16 %減少しました。)。

2) 24年3月公表分布図の土壌中の放射性セシウム濃度の測定値(平成23年11月5日時点換算値)と今回の測定値を同一の調査地点で比較したところ、約一年間で、避難指示区域外の水田で19.8 %、避難指示区域外の畑で15.2 %、避難指示区域内の農地で23.3 %それぞれ低下していることが確認されました。これは、この期間における放射性セシウムの物理的減衰に伴う土壌濃度の低下(17.3 %)とほぼ同程度でした。

3) 前回(平成24年3月)作成した空間線量率から農地土壌中の放射性セシウム濃度を求めるための簡易算定式について、文部科学省による直近の航空機モニタリングによる空間線量率データ(平成25年3月1日公表)を用いて別添4のとおり更新しました。一定の誤差はありますが、農業者などが農地土壌中の放射性セシウムのおおよその濃度を把握する際に役立つものと考えられます。

2. 農地土壌の放射性物質濃度分布図のデータについて

今回作成した各県ごと(福島県においては市町村ごとのものも含む)の農地土壌の放射性物質濃度分布図、農地土壌中の放射性物質セシウム分析値、放射性セシウム濃度の簡易算定法は、以下のURLに掲載しております。

今後の取組

今回作成した農地土壌の放射性物質濃度分布図等については、農地の除染や現場での対策への活用を図っていきます。また、引き続き、農地土壌の放射性セシウム濃度の推移を把握するための調査を進めることとしています。

 参考

 「(1)第6次航空機モニタリングの測定結果、及び(2)福島第一原子力発電所から80 km圏外の航空機モニタリングの測定結果について」(平成25年3月1日文部科学省プレスリリース)

http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/7000/6749/24/191_258_0301_18.pdf 

平成23年8月30日付けプレスリリース「農地土壌の放射性物質濃度分布図の作成について」

http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/110830.htm

平成24年3月23日付けプレスリリース「農地土壌の放射性物質濃度分布図の作成について」

http://www.s.affrc.go.jp/docs/press/120323.htm

お問い合わせ先

農林水産技術会議事務局技術政策課
担当者:総括班 松井、松下
代表:03-3502-8111(内線5842)
ダイヤルイン:03-3502-7406
FAX:03-3507-8794

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