ホーム > 青少年のみなさまへ > アグリとサイエンス > “おいしい”ナス品種「あのみのり」
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ナスは7~8世紀ごろインドから中国を経て日本に伝えられたと言われています。古くから様々な品種が栽培されてきたことから、ナスは日本人の食卓に欠かせない重要な野菜になりました。本来のナスの収穫期は秋ですが、今では1年中食べられるようになっています。 受粉しなくても大きく育つナスには、おしべの花粉をめしべが受粉しなければ果実が大きくならない性質があり、ミツバチなどを利用して受粉しています。しかし、寒い時期には、正常な花粉ができなかったり、ミツバチの活動が弱まったりするため、花の一つひとつに生長を早める植物ホルモンをかける「ホルモン剤処理」をする必要がありました。ホルモン剤処理は、生産者がナスを育てるのに必要な全体の作業時間のうちの約3割にもおよんでおり、生産者の作業を楽にする品種が求められていました。そこで、(独)農研機構野菜茶業研究所は、ミツバチによる受粉やホルモン剤処理をしなくても正常に実が大きくなる性質「単たん為い結果性」を持ったナス品種「あのみのり」を育成しました。 日本人好みのおいしい品種「あのみのり」は、イタリアの単為結果性品種を親にして日本人の好みに合うように改良した品種で、見た目も良く、大変おいしいナスです。花粉ができにくい寒い時期には食べやすい種なし果実となり、きれいな漬物ができると評判になっています。「あのみのり」はホルモン剤処理やミツバチの利用にかかる費用や全体の作業時間を削減できるため、生産者にとっても「おいしい」ナスといえます。
(文:中畝 良二、絵:筒井 博子) ※全国農業新聞 2010年2月26日に掲載されたものを再編集 |